実演家の「録音権」「録画権」とは?―録音・録画されることをコントロールする権利!

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ぴよ君は映像作品を楽しむとき、どうやって楽しみますか?

ぴよコリーヌのドラマはDVDで何度もみて楽しんでいるよ!

わたくしが、ぴよコリーヌ(女優)

DVDは何度も楽しむことができて便利ですよね。

ぴよコリーヌは、こういったDVDに映像作品を録画する権利を持っているんですよ。

今回は、この録画する権利と、録音する権利について取り上げたいと思います。

1.そもそも「録音」「録画」とは?

録音とは…

生の音をCD、カセットテープなど形あるものに記録すること(いったん音を記録したCDなどをさらに複製することも含む

(参考:著作権法 第二条(定義)第1項第13号)

録画とは…

影像という形のない情報を、連続してDVD、Blu-rayなどの形あるものに記録すること(いったん映像を記録したDVD、Blu-rayなどを複製することも含む

(参考:著作権法 第二条(定義)第1項第14号)

注目点は2点です。

POINT1:録音・録画ともに、「複製」も録音録画に含まれる

「複製」も録音録画ということは、録音権・録画権を持つ実演家は、CDやDVD、Blu-rayを増刷する場合についてもOKかNGを言える権利を持っているということです。複製してほしくなければ、NOと言えますし、勝手に複製するな!ということもできます。

POINT2:録画は「連続して」記録することを意味している

録画された実演の映像から写真を撮ること…例えば、テレビドラマのDVDの映像からその1シーンを写真に撮ることは「録画」や「録画の複製」にはなりません(=連続していない)。

したがって、無断でドラマの1シーンを写真に撮ることは録画権の侵害にはなりません。ただし、肖像権やパブリシティ権など別権利の問題になることはありえますので、録画じゃないからOKと早合点しないようにご注意ください。

2.「録音権」「録画権」とは?

録音権・録画権とは…

録音・録画をコントロールすることができる権利

・実演家の権利のうち、オカネを守る権利(=財産権)に分類でき、オカネを守る権利の中でもOK・NGをいうことができる強い権利(=許諾権)

録音録画権が認められているということは、逆を言えば、この権利を持っている人以外は、勝手に録音や録画をすることができません。録音や録画をしたい場合は、この権利を持っている人に許可を取らなければならず、権利を持っている人はOK・NGを決めることができます。当然ながら、OK・NGを決めるときの条件として、オカネの交渉を含めることもできます。

(参考:著作権法 第九十一条(録音権及び録画権))

オカネを守る権利と許諾権についてはこちらを参照してください

3.まとめ

録音とは

➡形のない生の音がCDやカセットテープなど形あるものに記録されること

➡CDやカセットテープなどの形あるものから、さらに形あるものを作り出すこと

録画とは

➡形のない影像という情報が、DVDやBlu-rayなどの形あるものに記録されること ➡DVDやBlu-rayなどの形あるものから、さらに形あるものを作り出すこと

録音権・録画権とは

➡録音・録画をコントロールできる権利。実演家のオカネを守ることができる許諾権のひとつ。

4.参考文献

・加戸守行『著作権法逐条講義 七訂新版』公益社団法人著作権情報センター2021

・島並良、上野達弘、横山久芳『著作権法入門[第3版]』株式会社有斐閣2021

・中山信弘『著作権法[第3版]』株式会社有斐閣 2020

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