知的財産管理技能士1級[コンテンツ]の情報は、とにかく情報が少ない!
くまろみの合格は2017年でちょっと前のことですが、試験範囲や合格率の大きな変動はなさそうなので、変わらぬところもあるかもと思い、まとめてみることにしました。
知財1級コンテンツの情報を探している方のお役に少しでも立てますように!
1.知的財産管理技能士1級[コンテンツ]とは
・内閣・知的財産戦略本部「知的財産推進計画2022」で取得が推奨されている超注目度が高い国家試験!
・求められる知識やレベルは以下の通り
知的財産管理の職種における上級の技能者が通常有すべき技能及びこれに関する知識の程度(知的財産管理に関する業務上の課題の発見と解決を主導することができる技能及びこれに関する専門的な知識の程度)を基準とする。
知的財産管理技能検定 公式HPより
・試験のチャンスは年に1回!
2級、3級は年3回のチャンスがあるが、1級は学科、実技それぞれチャンスは1年に1度だけ!
・学科の合格率 激低!
学科(7月) | 実技(11月) | |
2022年 | 3.3% | ― |
2021年 | 26.7% | 76.4% |
2020年 | 11.1% | 87.5% |
2019年 | 11.6% | 54.8% |
2018年 | 9.2% | 73.0% |
2017年 | 11.4% | 83.3% |
2.くまろみの受験遍歴
●2012年 3月 3級:合格
・・・知財全体を勉強するよりコンテンツに絞った方がよいかも!?と思って2級を飛び越えて1級受験に挑んでみた・・・
●2013年 7月 1級[コンテンツ]学科:不合格
●2014年 7月 1級[コンテンツ]学科:不合格
・・・1級の学科が2年連続不合格だったので、一旦あきらめて2級に戻ることにした・・・
●2015年 3月 2級:学科 合格、実技 不合格(正解が1問足りず。。。涙)
・・・1級心折れ期が始まる。。。・・・
●2015年 7月 1級[コンテンツ]学科:不合格
●2016年 3月 2級 実技:合格
●2016年 7月 1級[コンテンツ]学科:受験放棄
↑申し込んだものの受かる気がしなくて受験に行かなかった。。。
・・・ラストチャレンジにしようと一念発起!・・・
●2017年 7月 1級[コンテンツ]学科:!!!!合格!!!!
●2017年11月 1級[コンテンツ]実技:!!!!合格!!!!
3.合格した時の受験対策法
2017年7月 学科試験に向けて
■勉強のエンジンがかかったのは、同年4月ごろから。毎日平均2~3時間程度の勉強時間を確保。
■使用した本
『著作権ビジネス構造分析』土井 宏文 著 コンテンツ・シティ出版 2012年
【お気に入りポイント】
・「条文-条文解説-重要判例」がセットで書かれていること
・著作権法の通読が苦じゃなく通読できること
➡著作権法の超々名著(テキスト)『著作権法逐条講義』通称:カトチクの通読は無理だけど、この本は説明を含めて通読できる分量
➡受験者のお話を聞くと意外と著作権法の全文を通読したことがない方が多い!?ように思いました。問題を解く上での基本・基準はなんといっても条文。この本じゃなくてもぜひ著作権法の通読を!
・著作権法以外にも、著作権ビジネスや資金調達など1級合格に必要な情報が掲載されている。
【要注意ポイント】
・発行が結構前…なので、ちょっと古い情報も…。
どれほどの名著でも避けては通れない発行から年数が経っている問題。
この本も例外ではなく、発行から今日まで著作権法改正は何度も実施されているので、変わっているところも多々あります。
とはいえ、基本的な考え方や重要判例など変わらない部分も多数あるので、変更されている箇所(保護期間50年→70年など)に、気をつけなきゃいけないデメリットはありつつも、おすすめしたい一冊です。
『国家検定 知財検定1級 合格マニュアル (コンテンツ専門業務)』知財経営研究社
残念ながら、2021年版以降しばらく発行休止とのことです。
ただ、学科試験に向けて役立った点もあるのですが、この本を購入したメインの目的は、購入して合格報告すると入手できる「実技試験体験記」でしたので、この本がないと合格が難しい!ということはないと思います。
また、現在は、他で販売されている過去問集に実技試験の問題も入っているようなので、そういった過去問集を使うことで、私がこの本を利用した意図は代用できると思います。
『知的財産管理技能検定1級 コンテンツ専門業務 過去問題徹底解説 学科』『知的財産管理技能検定1級コンテンツ 攻略テキスト』 コンテンツ・シティ出版 2013年
この過去問集とテキストは、試験傾向を知る唯一のよりどころでした。
当時はこれしかなかったのですが、今は、新たな過去問集が新登場しているので、こちらの過去問集を取り組むと良いと思います。
2017年11月 実技試験に向けて
■勉強の開始時期
学科の合格を知ってから(8月下旬以降)。
学科試験終了後の自己採点では正解の数が1つ足らず、落ちたと思ってたので、学科受験~合格発表までは勉強せず。
■対策法
・学科で使用した本たちを復習
・東京コンテンツプロデューサーズラボの講座に参加
今でも実技試験前のシーズンには講座を実施しているみたいです(公式HPはこちら)。
➡専門家の先生の講義、解説を生で聞けるのは確かに有益です。メリットもたくさんありました。
でも!この講座の目的も実技試験の問題を知ることが目的だったので、過去問集で問題を把握できていれば、それで事足りる、という面もあるかも。
4.1級受験で難しかったところとその対策法
○問題文、著作権法の条文に忠実に考えること
➡実務でも知財管理に関わっている場合、普段の業務とリンクさせた早合点に要注意。
あの時のあのケースと似ている!と思って判断した問題が間違えているということがよくありました(似ているだけで実際は別案件)。
普段の業務経験が役立った点ももちろんありますが、そこで早合点せず、試験中はあくまでも問題文を素直に読み、著作権法に忠実考えることに注力しました。
○日本の著作権法だけでは合格できない
➡アメリカ、中国、条約など海外の知識も必要
➡日本の著作権関連だけに絞って勉強するのはリスクかも
くまろみ分析によると、日本の著作権法周辺知識だけでやっつけられる問題は、50~60%程度(くまろみ受験当時)。1級の合格ラインは正答率80%なので…足りない…!!ぜひ直近の過去問集でチェックしてみてください。
○時間が足りない!(学科100分は短い!実技20分も焦る!)
➡100分は一見すると長そうに見えますが、時間は全然足りません!なにせ読まなきゃいけない文章が長い長い。考える時間も考慮すると、時間配分に関する作戦は不可欠です。
➡自分なりの問題の解き方の取得が必要
前段と少し重複しますが、試験時間中のタイムマネジメントが肝になるので、自分なりの解き方を持っておいた方が安心です。
例えば、契約書問題は、契約書を読んでから問題文を読むのか(契約書の内容を把握してから問題を考えたい派)、問題文を読んでから契約書を読むのか(問われているポイントを把握してから契約書の内容の把握にかかりたい派)、どっちが自分の好みか知っておくだけで、その問題にかかる時間がぐっと変わります。作戦なく、契約書→問題→契約書→問題と問題冊子をペラペラめくりながら行ったり来たりするのは、ほんとに時間がもったいないので、ぜひご自身のスタイルを見つけてください。
○人に説明を簡潔に説明する練習が必要
いわずもがな、実技試験での面接対策です。
頭で分かっていても、それを口頭で説明するのはほんとに難しいです。
なかなか事前対策は難しいのですが、私は家でひとり、ぶつぶつ答える練習をしました。
可能であればもちろん説明の相手がいるとよいと思いますが、恥ずかしさもあったりすると思うので、最低限、一人で声を出す程度はやってみると良いと思います。ちゃんと声に出すところまで練習するのが肝だと思います。
英会話を想定してみてください。頭ではいろいろ分かっていも、いざ、話す場になると簡単な単語すら出てこない…中学高校で6年間勉強したのに口からは一向に出せない…よくある話ですよね。声に出す練習をしないと、どんなに知識が頭に入っていてもこうなります。一人きりで十分なので、声を出してみてください。絶対違います。
5.その他の試験対策
1級受験のチャンスは年に1回というプレッシャーに打ち勝つこと!
勉強に熱中すると見落としがちですが、超重要です。
年に1度しかチャンスがないというのは、当日結構、緊張とプレッシャーがあります。
特に熱心に勉強すればするほど、もしも、落ちたらまた1年後か…とか、また1年頑張らなきゃいけないのか…と不安になったりもします。
そこで、「受験」になれることをおすすめします。大学受験前に、模擬試験をたくさん受けるのと同じ原理です。試験を受けることが久しぶりの方は、1級試験の本番前になんでもいいので、試験を受けてみて、試験前日の過ごし方、当日の過ごし方、試験会場での過ごし方など、練習したり、試したりしてみるといいと思います。
くまろみは、資格好きなので、TOEIC、秘書検、マイナンバー実務検定など割とたくさんの受験経験があり、試験1週間前~試験会場での過ごし方のだいたいのルーティンがあります。本気の1級受験をしたときには、このルーティーンのおかげで、だいぶ心穏やかに受験ができたように思います。
6.合格してよかったこと
・自信になる
・自分なりの著作権の勉強の仕方、調べ方が身につく
➡自分に合った方法を見つけられたことは、合格後も役立ちました。
合格はとてもうれしかったのですが、合格したら合格したで、1級と名乗れる知識を常に持っておかねばというプレッシャーを感じました。
知識の維持やアップデートのために当然ながら勉強は続くので、自分なりの方法を持っておくのは有益だったと思います。
7.最後に
長文に最後までお付き合いいただきありがとうございました。
2017年当時の情報をもとにした内容ではありますが、気になる内容や、もっとここを知りたい!などがありましたら、お気軽にお問い合わせからお寄せください。
可能な限り対応させていただきます。
知的財産管理技能検定の公式HPはこちら